「ヴィクター、ずっとここにいたんなら、脱出口の場所は分かりませんか?」

「それがな…」

彼は首を横に振る。

「人造人間にされちまった時点で、人間の時の記憶が一部欠如しちまっててな…この地下病棟の構造はさっぱり覚えていねぇ…」

ならば脱出口は、自力で探すしかない。

私達は手術室を出る。

出る前に。

「……」

私は部屋の前で手を合わせた。

せめてこの場で無念の死を遂げた人達が、安らかに眠れるように…。