やっと違和感の正体がわかった気がした。

やはりヴィクターはこの地下病棟に縁のある人物だった。

いや、人と呼んでいいのかすら怪しい。

彼も、私を襲ったあの怪物と同じ…。

「勘違いするなよ」

ヴィクターが言う。

「俺はあの化け物…暴走しちまったヴィクター10型とは構造が違う。死体を繋ぎ合わせて作った継ぎ接ぎ野郎と違って、生きた人間の体をベースに人工骨格、人工臓器、人工血液、人工皮膚で全身を強化した…」

「やめて下さい」

私はヴィクターの言葉を遮った。

「多くの人が犠牲になっているんです…『継ぎ接ぎ野郎』なんて言い方…止して下さい」