「もうわかるだろ?」

ヴィクターは自嘲するように言う。

「現代のフランケンシュタインを作り出す。それが機関の目的だったのさ。死体を繋ぎ合わせ、現代の技術の粋を集めて作り出した偽りの命って奴だ」

『F計画』のFは『フランケンシュタイン』の頭文字のF。

でも、やはり人間の手で生命を作り出すというのは、神への冒涜。

禁断の行為に他ならなかった。

生み出された人造人間達は、資料室で見たあのファイルの通り、とても新たな人間とは呼べない醜悪で欠陥だらけの危険な産物に過ぎなかった。

そしてその危険な産物にすらなり得なかった、人造人間の出来損ない達が、ここにある遺体。

悪戯に切り刻まれ、命を奪われていった人達だった。