涙に震える私。

その背中に。

「あんた…『フランケンシュタインの怪物』を知っているか?」

突然、ヴィクターはそんな事を言い始めた。

…私はゆっくりと振り向く。

「そんな事…何の関係があるっていうんですか」

「いいから答えろよ」

あくまで穏やかに、しかし冷徹な表情で、彼は言う。

「……」

私は無言のまま頷いた。

幽霊とか心霊とかは否定的なくせに、お父さんがこの手の話が好きだった。

なので、私も自然とオカルト的な話には詳しかった。