夫は、妻が生きていた頃のように蘇らせてくれと願わなかったので、愛する妻は三年間埋葬されて腐敗したままの姿で蘇ってしまったのである。




それでも、夫は妻が生きていた頃のように愛した。




妻が、悲しまないようにいつも優しく微笑みかけ。




腐敗した体に包帯を巻きつけて、綺麗なドレスを着せて。



さらに、妻が醜い自分の姿を見ないようにと、屋敷の中の鑑を全て破壊した。




献身的な夫の愛により、やがて妻も生きていた頃の記憶を思い出していった。




口元が腐敗により言葉を話す事はできなかったが、夫は唸り声から妻の思いを読み取り意思の疎通を果たしていくのである。




妻は、そんな夫の愛に感謝して、蘇ってきた事を始めて嬉しいと思った。




・・・どんな姿であっても、生きているという事は素晴らしいことなのね・・・




妻の、言葉にならない呻き声から、夫は妻の言葉を知り笑顔を向けて、腐敗しただれている唇にそっとキスをした。




「そうさ、どんな姿であっても生きている、それだけで君は美しい」




妻は、この幸せが永遠に続くようにと神に祈った・・・