今のは明らかにシャッター音だった。
「今、シャッター音が…」
レイは不安げに言った。
「お前のファンじゃね?」
「違うだろ…」
レイは顔色が悪いまま立ち上がった。
「顔色悪いぞ。少し休んでから帰ろう?」
「…うん…」
俺達は適当に椅子に座り、他愛のない話をした。
ふとレイと目が合うと、レイは瞳を潤ませていた。
可愛いな、こいつ。
じゃなくて、
「辛いか?」
「…ん…少し」
「無理しなくていいからな」
「……平気…だから…(話の)続き、して?」
「いいのか?(帰らなくて)」
「…大丈夫……スバルとなら(親にも怒られないし)」
「…後悔すんなよ…?」
明日はレイの好きなアーティストのライブなのに…。
行けなくなるぞ?
結局俺達はその後30分ほど話していた。
ある意味怪しい目で見られているとも知らず…。
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