「スバル!帰ろうぜ」


段々と暑くなり始めた梅雨時のある日の終礼後

レイがいつもの様に鞄を持って俺の席まで来た。




「おう。っと、俺日番の仕事残ってるわ」

「手伝うぞ?」

「マジで?助かる。帰りに焼きそばパン奢る」

「やった!!」




何の変哲もないやり取りを済ませた後

俺は学級日誌を取りに職員室に向かった。




教室を出ると、廊下に置かれている掃除用具入れに隠れるようにして

こちらを見ている女生徒がいた。






桜可憐(サクラ カレン)



この学校のマドンナ的存在の美少女だ。






「……何か用?」

「あっ…あの……いいえ…っ」




桜は何故か顔を真っ赤に染め、走り去ってしまった。





「??」


何だったんだ?








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