「そこをどかねぇならてめぇらごとブッ飛ばしてやらぁっ!!」

「……はぁ。…全く仕方無いなぁ…。トリルー??ちょっと来てくれー。」



リットがそう呼び掛けると強い風が吹き始めた。


そして、1階であたし達が会ったあの少女が空中に現れた。


少女はゆっくりとあたし達の元へ降り立つ。



「どうしたでしゅかお師匠様??…あっ!!あなたは先程の“凛月”を持っている方じゃないでしゅか!!ここまで辿り着けたんでしゅね?!」



その少女は“凛月”を見て目をキラキラと輝かせながらあたしに詰め寄ってきた。



『え…あぁ、うん……。』

「トリル、それはまた後にして、ひとまず“あれ”をどうにかしてくれないか??」

「むむっ…??ルビーしゃんでしゅか??了解でしゅ!!」



トリルと呼ばれた少女は両手を上に大きく広げた。


彼女の周りに柔らかい風が吹く。



「ルビーしゃん行くでしゅよ〜?!」

「トリル…?!てめぇまさか――」

「回れ回れ、“メリーゴーランド”〜♪」



トリルがそう唱えると竜巻が起こり、ルビーを飲み込んだ。



『えぇえ〜〜っ??!!そんなことしたら死んじゃうでしょ〜?!』

「心配ないでしゅ。ルビーしゃんはとっても頑丈なんでしゅ!!」

「…とはいえ、ちょっとやり過ぎかもしれないけどねぇ〜。」



そう言ってあっはっは、と笑うリット。

のんきに笑ってる場合かっ!!





「ト〜リ〜ル〜ぅ〜〜て〜め〜え〜お〜ぼ〜え〜と〜け〜よ〜ぉ〜〜〜…」



竜巻の中からそんな声が聞こえてきた…気がする。