『初めまして、リット。あたしはアリス。あなたにお願いがあって来たの。でも、ここへはあたしだけで来た訳じゃなくて――』





――カチャッ――





扉の開く音と共に、ラビが部屋に駆け込んできた。



『っラビ…!!!!』

「…はぁっ…優、無事か??!!」

「タイムリーだねぇ。でも、…そうかぁ。彼がやって来たということは、“あの子”も君達を止められなかった訳だ。」



リットは苦笑した。



「…はぁ…良かった…。」



ラビはホッとした表情を見せた途端、ガクンと床に片膝をついた。



『ラビっ…?!大丈夫??!!』

「…ちょっと…力、使い過ぎちゃったみたい…。」



力無く笑うと、ラビはそのまま横に倒れて気を失ってしまった。



『しっかりして!!ラビ!!!!』



あたしはラビの体を揺らし、必死に呼び掛けた。



ラビ…

こんなになるまであのドラゴンと戦ってたの…??


あたしに力が無いばかりに、ラビ1人に負担をかけさせちゃったんだ…



『ゴメンね…』



あたしは俯いて唇を噛んだ。



「あーあぁ…ここは病院じゃないんだけどねぇ。…仕方無いかぁ。」



リットはパチンと指を鳴らしてもう1つベッドを出し、そこにラビを寝かせてくれた。