『ねぇ、おんぶしててあげるから上への行き方教えてくれない??』

「………。」

『あたし、どうしてもリタルダンドって人に会いたいの。』

「………。」



少年は黙り込んでいる。


ちょっと会うくらい良いじゃん!!



『あんた知り合いなんでしょ??お願いっ!!』

「…着いてるよ。」

『え…??』



ついてる??

付いてる…??

………憑いてる…??



どういう意味??



「だから…ここが最上階で、師匠…君の会いたがっている人もここにいる。もう着いてるんだよ。」

『嘘っ?!だって、この塔あんなに高いのにここが最上階?!それに、リタルダンドらしき人はどこにもいないじゃん!!』

「…師匠、すみません。僕、止められなかったです。」



…………??



少年が突然そう言った。


誰に言ってんの??


































――ゴゴゴゴゴ…――





『?!』



突如、部屋の奥にあった本棚がいくつか下に沈み始めた。



本棚の乗っている部分の床が下へ下がっているらしい。



そして、書斎だと思っていたその部屋は本棚が床に沈んだことにより、本棚の奥にあった空間と繋がって大きく広がった。



本棚の奥はベッドやテーブルなどの高価そうな家具がきれいに配置してあり、そこは普通に生活をする部屋のようだ。