何を言ってるんだ?この男は…

しばらく目を点にして男を見つめていたら


「ら?見とれちゃった?」

その瞬間またわたしの中で何かがキレた。
もうプチんどころじゃないよブチんですよ。

大きく深呼吸をして、

これ以上は時間のムダだと判断した私は思いっきり掴まれた腕を振り切ってズカズカと歩き始めた。

「ちょちょっ!冗談通じねーなもう」

慌てて私の横に並ぶ男。
私は男を力一杯睨んで言った。

「これ以上は警察呼びますよ?」

「ぅお、それは勘弁」

両手を上げてる男は楽しそうで…

それが妙にムカついて

イライラして

余裕そうな笑みが余計に腹たつ。

だから思わず手が出てしまった。
暴力はいけないことなのに…

わかってても止められない私はなんて幼いんだろう…

私は両手を上げて無防備な男の腹めがけて拳を投げた。思いっきり。

男はゴフッと言って腹を抑えた。
その瞬間
私は走った。家について二階に上がり自分の部屋に入って鍵を閉めるまでめっちや高速で。

それから音楽を聴く。
いつもこうやって心を落ち着かせるんだ。

それから本を読む。50p読んだら本を閉じ、勉強机に向かう。
これをするだけで私はいつもの自分を取り戻せた。