暫くの間、真剣に片付け忘れた作品を睨みつけるようにみて、

「これって売り物?」

「い、一応」

言いながらもじっくりと見る姿勢があまりにも腰を痛めそうだったから

「良かったら手にとって見てください」

茜ちゃんに用意してもらった接客のマニュアルどおり勧めれば、男は一呼吸遅れた後に「ああ」と返事をして、道路に布を敷いただけの場所に置いていた花瓶に活けられた花の絵を目の高さまで持ち上げてたあと、ちらりと視線だけ私を見る。

「これって幾ら?」