「先生には他にもお弟子さんはいらっしゃらないのですか?」

部屋にはクローゼットとベットとデスク、そして三脚などが揃っていて、自室に篭ってでも絵が描ける環境にある。

クローゼットにとりあえず、服を片付けながら

「一番のお気に入りは長い事先生の隣で絵を学んでいる隆二さんだね。
いい年なのに、とっくに一人立ちしててもおかしくないのに先生ったら手放さないの」

迷惑気味に吐き捨てるから、ひょっとしてとんでもない人間関係があるのでは無いかと想像してしまう。