アトリエから出て来たのは女性の住み込みのお弟子さんで、年も近そうな若い方だった。

「来ちゃったのね・・・
恨まないから逃げ出すなら早いうちに決断しなさいよ」

歓迎されると思ったのに、開口一番そんな不吉な事を言われたら頭の中が真っ白となり、言葉を失った口はそのまま息を零すように「はぁ」としか答える事が出来なかった。

「私は石田亜紀。
このアトリエの一番下っ端だけど、これから貴女の先輩になるわ。
よろしく」

さっきの不吉な言葉を吹っ切るような明るい笑顔で名前を聞かされて、きっとここでの生活は厳しいものなのかな?と自分なりに想像してみる。

「じゃあ付いて来て。
みんな待ってるから紹介するね」