そこにいる拓は、落書きだらけの顔だった。
「ぷ・・・くくく・・・っ」
「は・・春?」
そう言った拓はもっと顔を近づけてきた。
「ぷはっ!!!ちょ・・・やめて・・はは!」
「なんで?なんか俺、変?」
拓は子犬みたいな顔をしてきたけど、やっぱり顔は落書きだらけで笑える。
「ぷ・・・そりゃあんた・・・ははっ・・・自分の顔・・・ぷ・・・見てみなさいよ。」
そう言って千夏が自分の手鏡を拓に渡した。
「なんじゃこりゃーーーー!?!?」
「「きゃははははっ!!!」」
あたしと千夏は爆笑した。
拓はまだ千夏の手鏡を見つめて震えてる。
「おぉぉぉ俺のセクシーなお顔がぁ・・・・」
「ははっ・・それ、水性だ、か、ら・・・ぶっ・・すぐ・・お、落ちるよ?」
そう言ってあたしは、ポーチからウェットティッシュを取り出した。
そして、拓の前に立って少しかがんだ。
「はい。顔こっちに向けて!落としてあげるから!」
「はいよー。」
あたしは、拓のほほに手を当てて、落書きを消していった。