ガラガラ――――。




「拓ー?だいじょ・・・」


あたしは拓を見て固まった・・・・。


「春?どーしたの?」


千夏は固まったあたしを見てから、拓の方を見た。




そこに立っている拓は、よだれを垂らして寝ていた・・・。





「・・・・。」

「・・・・。」


あたしは千夏をそっと見てみた。


千夏は拳を握り締めて震えていた・・・。



や・・・やばい。



そう思って千夏を止めようとした・・・・でも、遅かった。





「拓斗ーーーーーーーっ!!!てんめぇ!寝てんじゃねぇーよ!!」


「ちょっ!!千夏!」



千夏は拓の、・・・・・を蹴った。



「う゛!!!?」


拓は短い悲鳴を上げてその場に倒れた。



「た・・・拓っ!?大丈夫っ!?」



あたしは倒れた拓の隣にしゃがみこんだ。



「春が心配してたから見に来てやったら・・・のんきに寝てんじゃねーよ。」



見上げた千夏の顔は、とにかくすごい迫力だった。


前髪で左目しか見えなかったけど、その目がもういっちゃってました・・・。