そうおもいながらも、入学式は進められていった。
順調に進み、名前が呼ばれるところまで来た。

『高田奈緒』

「はい」

返事と共に起立。
そして着席。
なんだか緊張する一瞬だった。

アタシは一組だから、まだまだ終わらない・・・・
聞きなれない名前が次から次へと呼べれる。
全員の名前・・・覚えれるのかなぁ~???とか
ついつい考えちゃうよ・・・
そんなどうでもいいことを考え終わった頃に、
新入生代表の挨拶が始まった。

『生徒代表、山口麻矢』

『はい』

アタシの先頭の子だ・・・
髪が長く、大和撫子みたいで、
綺麗な透き通るような肌。
輝いていた。

ついつい見惚れてしまう・・・
女子なのにね~
あんな子が"女の子"っていうんだよ~
って思っていた。

その時、パッと琉未唯の顔が思い浮かんだ。
アタシがもし、あんなに綺麗な女の子だったら、
フラなかった・・・?
付き合ってくれてた?
なんだか急に苦しくなった。
恋ってこんなに辛いんだね。
"でも、良いことたくさんあるでしょ?"
何かのマンガできいた事があるようなフレーズ。
そんなに簡単じゃないんだよ。
アタシの恋は辛いだけのような気がした。