「おまたせ!」
「ご無沙汰やな、アイ」
「…何でリョウくんアヤちゃんのこと押し倒してんの?あ、ごめんお邪魔だった?」
「お前も紛らわしいこと言ってないで少しは助けろ!」
「えー…あ、ハク!おはよ!」
「おはようございますアイさん」
「会いたかったよハクー」
飛びついてきた華奢な体躯を受け止める。これが女の子だったら僕のような狼に食べられちゃうんだろうな、と少々ネガティブになっていると藍嘉さんが上目遣いで僕を見た。
「…アイさん?」
「ハクってさぁ……童貞?」
「……」
「……」
「……あの、」
「だから、童貞?」
「…今後もう絶対にその言葉を発しないと約束して下さい」
「何で?」
「…僕の後頭部に突きつけられている凶器を見れば分かる筈です」
「何だ、気付いていたのか」