そのあとのお母さんの言葉は

予想外だった

「杉浦西テニスクラブの川瀬優磨くんもあなたと同じ練習メニューをこなしてるわよ」

びっくりした。

あたし意外にもそんな人が居たなんて

会ってみたかった。

なのに、お母さんはキツく拒んだ。

その理由は今でも分からないまま

その日から

弱音は吐かないって決めたんだ。

うまくなって大会に出れれば

その、優磨くんに会えるかも知れない。

初めて大会に出たのは2年生の終わりだった。

それから

色々な大会に出てきたけど

優磨くんには会えなかった。

だけど、新聞にはいつも優磨くんの名前が出ている

「〇〇カップ 最年少の少年が優勝」

その大会は、いつも

あたしが出ていないものだった。