突っ込むって……。
別にあたしたち、夫婦漫才してるわけじゃないのに。
「夜なら平気」
答えた後、恥ずかしすぎてやっぱりソッポを向いた。
「お前の“平気”な基準はよくわかんねぇ。お、ここのホテルだ。今から朝が来るまでタップリ身体で語り合おうじゃないか、お姫様」
ニヒヒと笑いながら、社長が空いた駐車場を探して車を停めた。
エンジンを止めると、なぜかお互い黙り込んでしまう。
ここに来た目的がハッキリしているだけに、『何する?』なんて質問は愚問。
ここは社長に任せよう。
と横を向いた瞬間、キスをされた。