「意味分かんないんですけど……」
「お前が言う“変態スイッチ”ってヤツだな」
「え゛ッ!?」
「早く帰って愛を確かめ合おうな?光姫」
ニッコリ笑って社長はそのまま車までの距離5分を一気に走り抜けた。
「いっ、イヤーーーーーッ!!」
あたり一帯にあたしの悲鳴が響き渡ったのは言うまでもない。
ーーーーーーー
ーーーー…
「あの、社長?」
「何だよ」
「手、繋いだままじゃ運転しにくくない?」
さっきからずっとあたしの手を握りしめたまま左手だけでハンドルを握る社長。
「プロ級だから平気だ」
「あっ、さようで……」
会話終了。