「な、何すんだ、お前!!本気で痛いぞ!!そのヒール。女が暴力振るってんじゃねーよ!!」
「そっちが我を失っていたから正気に戻してあげたんじゃない!!感謝してほしいくらいよ、こっちは!!」
首筋を隠して、少しずつ社長と距離をとるように離れた。
「お前は平気でムードを壊すようなことばっかするんだな」
だけど社長もあたしとの距離を縮めるように、ジリジリと詰め寄ってきた。
「こんなトコでムードなんていらない!!外でなんて……!!それに、何度も言うけどまだ昼間なんだってば!!」
もう何回言っただろう。
『まだ昼間』って言葉を。
「お前はバカか。男は四六時中発情しっぱなしだ」
「だから!!そんな恥ずかしいこと大声で言わないでったら!!」
「じゃあ早くこっちに来い。無駄な抵抗はよせ。第一、オレたちしかいないのに他に誰が聞いてんだよ。蝶か?花か?」
ハンッと鼻で笑いながら社長がどんどん距離を縮めてきた。