「きっと根は優しい人なんだよね、友里さんって」
もっと違った形で出会っていたら、気の合う仲間になってたかもしれない。
「お前、人良すぎじゃねーか?」
「……そう?」
「まぁ、それがお前のいいトコなんだろうけど」
「な、何よ、急に」
社長が褒める時は必ず下心アリ。
これは結婚して数ヶ月の間に学び得た知識。
「いい気分にさせてやろうと思って」
「い、いい気分って何よ!?ほんとヤらしすぎ!!こんな真昼間から!!」
「心外だな、それは。お前こそ“いい気分”を何かはき違えてんじゃないか?」
ツツーッとあたしの頬に指を滑らせながら、社長がニヤリと笑う。
こ、これは……!!
完全にハメられた。