心の中で絶叫。

だって『朝まで』って……それに続く言葉は何!?


やだやだ、そんなの絶対恥ずかしい!!


いつまでも耳を塞いでいると、社長があたしの腕を両手で掴んだ。


「やッ、んんんーーッ!!」


必死に抵抗するも男の人の力にかなうはずもなく、いとも簡単にあたしの手は解かれた。


「お前あんなに迫ってたくせに、いざとなったらイヤなのか?」

「そうじゃないけど……」

「けど?」

「……緊張する」


社長が「は?」という顔をして、ポカンと口を開ける。


「別に処女でもないのに、何をそんなに緊張することがあるんだ」

「それは……ッ」


男の人には理解してもらえないかもしれない。


あたしだって自分がこんなタイプの女だなんて知らなかった。


好きな人に抱かれることは、こんなにもドキドキするものなんだってこと。


しばらくの間、本気の恋愛から遠ざかりすぎて、こんな胸のトキメキとかどう対処すればいいのか分からない。