「いたいよ…。離して?水城くん」
「雄大って呼んで?」
「あた、あたし、水城くんとは付き合えないよ…。」
そう言った途端。
水城くんの目が変化した。
「約束したやんか!あれは嘘やったん!?俺はずっと信じて…」
その言葉と一緒に、さっきよりも強くなっていく手。
「ちょ、ちょっと水城くん!?ほんとに痛いよ…」
「じゃあ付き合ってよ」
「だから、ムリだってば!何回言えばわかるの!?」
いい加減しつこくて、思わず声を荒げた。
「おまえこそ………何回言えばわかんだよ?!言ってんだろ!?約束したんだから、って!!!」
すごい剣幕で。必死さを物語っている。
さっきまではすごい優しかったのに。
人って、こんな数分の間に変わっちゃうの……?
「とりあえず、今日は帰ろう?ね?」
「あぁ…。感情的になって悪かった。でも、本気だから…」
それだけ言うと、水城くんは帰って行った。