でも、どうしていまさら……
「…戻ってきたの?どうして、今更戻ってきたの?」
「そんなん決まってるやんか。
さよに会いたかったから」
真っ直ぐ、真剣な目で言われてあたしまで目がそらせない。
「やのにさよは…あいつと付き合っとるし。」
「そりゃ、もう高校生だよ?彼氏だっているよ…。」
「でも、約束したやんか。覚えてへんの?」
「約束…?」
「うん。大きくなったら結婚しよう、って。」
それは、小さいときには誰もが一度はしたんじゃないかな?
ってかんじの約束。
あのときのことはよく覚えてないけど…
でも、あれは小さいながらに本気でした約束だった。
「覚えてるよ…。」
「よかった……。じゃああいつなんかと別れて俺と付き合お?」
「え?」
「な、それでいいやろ?」
「そんなん…」
「えぇやんな?」
その言葉と同時に強く掴まれた腕。
「いたっ…!」