「ちょ、手!」 「え?あぁ、ごめん!」 校門を出たところで、ようやく離してくれた。 見られて、ないよね? 「……なぁ?」 長い沈黙のあと、水城くんが呟いた。 「え?」 「あの、城山とかいうヤツと付き合ってるん?」 「…うん」 “うん”この一言にこんなに重みがあるなんて。 そんな顔されるから…もっと重くなっちゃたじゃん。 「俺のこと、覚えてへんの?」 ほら。またその顔。 「ど、どういう意味?」