あたしも、席を立った。




「このあと、どこいく?」





そんな話をしていたとき。






「松原…さん?」



いきなり背後から声をかけられた。





「はい?」



振り返って返事をした。


あ、こいつ……



一瞬、嫌な顔をしたあたしを見てクスクス笑う“奴”。




「僕、さっきも自己紹介したんだけど…」





ぼ、ぼくぅ!??



なに、こいつは。






ぼくってキャラじゃないでしょ!?あんたっ。




「城山君でしょっ?知ってるよ?ねっ、さよ」



ミナミがあいだに入って話を進めてくれる。



「あ…川野さん?」


「うん、そうそう。あたし、川野ミナミ。よろしくね?」


「よろしく」




笑顔で会話をしている2人を見て、さらに嫌な顔をするあたし。




だって、嫌だし。


なんか、苦手意識強いし。こいつ。