「おくれました。」






そう言って教室に入ってきた者






『城山か。珍しいな、遅刻。』


「はい、すみません」



『まぁいい。席につけ』




「はい」











「あ、来たね!さよちゃん」



「うん。」







嬉しそうなさや。






あたしだって嬉しいよ?





ホッとしたし




でも、不安になった。







だって、一度もこっちを見てくれないから。











そんなあたしを置いていくかのように、時間は過ぎていった。













気付けば放課後で。






なんどあたしは城山を見ただろうか。






でも、城山は……











「あ、そうだ!カラオケ行かない?」






さやが誘ってくれたけど…






「あたしは…いいや!用事あるし!」




「そう…?」



「うん!ごめんね?」




「わかった!じゃあばいばいっ!」









さやと悠馬を見送った後、あたしも教室を出ようとした。




けど





「さよーっ!」




という声と、抱きついてきた体に止められた。