「あたしは、“恋”に免疫がないの。
なんてったって、この恋は、2度目の恋だから。」



そう言ったあたしを、さやは驚いた様子で見た。



「え、さよちゃん、恋…したことないの?」


「初恋は、あるよ?幼稚園のときにね。
小学校3年まで好きだったの。」


「長かったんだね!」


「うん!すっごく、好きだったんだぁ…。」




あたしは少し、あの頃を思い出した。





「…でもさ、好きじゃなくなった原因はなんだったの?
そんなに好きだったんでしょ?」



「うん…」





そういえば、原因はなんだっけ?




記憶をたどってあの頃についたとき、思い出さなければよかった、と思った。







「あ、もしかして…
やなこと、聞いちゃったかな?」


「え?ううん。大丈夫だよ!」



「そっか。 でも、城山君と…いい関係になれたらいいね♪」



「うん、さやもね!」







あたしたちは、男の約束ならず、女の約束をしたのだった。