「まず…。伊田くんからね。」
そう呼ばれて立ち上がったのは…
「俺からかよ~…。」
と、めんどくさそうな“ギャル男”だった。
「うわ、カッコいい!」
「え!?」
どうやら、伊田くんはミナミのタイプらしい。
あたしは無理だよ、あんなヤツ;
そんなこんなで進んでいた男子の自己紹介。
「わっ。あいつ…」
そう言うミナミの視線の先は…
「城山翔太です。」
とニコッと笑っているやつ。
「あいつ、無理だね。」
あたしはそう呟いた。
その瞬間、まわりの女がいっせいにあたしをみた。
「え?な、なに!?」
あまりの鋭い目つきに焦るあたし。
「あ~あ、あんたバカ?」
後ろのミナミは呆れていた。
しばらくすると、女からの視線も収まり、あたしはミナミに話しかけた。
「ねえ、さっきの…なに?」
「あれね、ここらへんではNo.1といわれてるヤツ。まあ…いわいる、“イケメン”だよ」
最後に、「でもまあ…伊田君には負けるよね♪」と付け足したミナミの言葉なんか相手にしてらんない。