「べつに普通だけど…」


「でも、さよちゃんや悠馬くんが美味しいって言うんだから…」


「いつものより美味いな!」





そう言って城山は笑った。




いつもの意地悪な顔なんかじゃなくって


でも、わざとらしい作り笑顔なんかでもなくって




自然な笑顔で。





「…おまえ、そんな笑い方すんのな」


そんな悠馬の声で現実に戻った。





「そりゃ俺だって笑うし。」



そう呟いて、また笑った。








ドキン…



ドキン、ドキン…




って、穏やかに動いていたはずの心臓が、だんだんとはやく…



ドキンドキンドキンドキン…



動いていくのがわかる。





ていうか、ドキンなんて可愛いもんじゃないんだよっ!


これはっ!





しいて言うなら…、


ドクドク…?
バクバク…?


そんな感じなんだよね。








たったひとつのあなたの笑顔、それだけ。



だけど、あたしはおかしくなるんだ。