「やっぱり……」 そう呟いたさやの声なんて、耳に入るわけもなく。 あたしには ヤツの笑顔と 胸のズキズキ それだけで頭が支配されていた。 「さよーっ!」 放課後、少し離れた場所からあたしを呼ぶ悠馬。 「あ、いたいた!! さや、むこうだって」 あたし達は旅行の日程を決めるために近くのファミレスに来ていた。