「あ、おはよ~。」
のんきに話しかけてくるお母さん。
「なんで起してくんないの!?」
「はあ?あんたが起きないのが悪いんでしょ?」
いやそうにあたしを見るお母さんは、ばっちりメイクもして。
すっかり入学式に行く準備万端みたいで。
自分も急いで顔を洗って、メイクをする。
軽く髪の毛を巻こうか迷ったけど、
今日は初日だし、ストレートにした。
「よしっ!お母さん、できたっ!」
「はいは~い。じゃあ、車乗って。」
そう促されて乗るお母さんの愛車は、いつもどおり、香水くさい。
朝から気分悪くなるってば。
そんなこんなで付近に到着。
「よしっ。ここからは歩いていきなさい!」
「うん。わかった!…って、お母さん行かないの?」
「まあね~!仕事、行かなきゃなんないし?」
そう言ってニマっと笑ったお母さんは、若い。
まだ、34歳で、あたしの友達のお母さんからしたら若い方。
それに加えて、うちは“お父さん”がいない。
あたしが3歳の頃に、事故で他界した。
って、そんなこと言ってる場合じゃなーーいっ!
急いで学校へと向かう。