「奈菜!!」



「…奈菜!?」



「奈菜ちゃんっ!?」



「おいっ、奈菜!!」



走り出したあたしの背中に
未來と叶と奏、那緒の声が
聞こえた。



────………
───……



どれくらい走ったか
わからない。



あたしは辺りを
見回した。



ここ…どこ?






どーでもいいや…



体が震える。



あたしは歩き続けた。



辺りが暗くなってきて
心細くなっていく。



「お兄ちゃん…優真…」



いっつもそうだった。



なにかあると
お兄ちゃんと
優真に会いたくなる。