「ふふっ…
そうだったね。
でも、必ずお兄ちゃんと優真が
見つけてくれた」



昔はあたしも
迷子になっていた。



優真のほうが年下なのに
あたしの方が
よく迷子になっていた。



「ああ…」



「覚えてる?
あたしが知らないおじさんに
連れて行かれそうに
なったときのこと」



「今でも覚えてるよ。
あの時は、もう見つからないと
思ったよ」



「うん、あたしも怖かった」