「なぁ?携帯じゃなくて自宅の電話にかけてみたらいいんじゃないかな?」


幹男の発言に、感心したように隆志が同調した。


「そうだ!自宅だよ、自宅なら本人が出なくても家族の誰かに確認できるはずだ!」

「幹男、よく気づいたな」


隆志に誉められ嬉しい気分になる幹男。


「それは、意味無いよ・・・」


雅樹の引き離すような言葉に、幹男の気分は瞬時に暗くなる。


「なんでさ?20人もいるんだから家の人は誰かはいるだろう?」


「家族の誰かに、確認すれば早退したのか解るはずだ」


隆志の言葉に、また気分が明るくなる幹男。


「その20人の内の誰かの自宅の電話番号を登録してある?」


「あっ!」


隆志と幹男が同時に声を出す。


「友人の携帯の電話番号は登録しても自宅の電話番号なんてほとんどしないだろ」


雅樹の言葉に一気に気分が暗くなってしまった幹男。


「あっ!稔は?稔の自宅の番号なら」


幹男の方に顔も向けずに、携帯を見つめている雅樹が言った。


「俺は、稔も隆志も幹男の自宅の電話番号も知らないぞ?」


続いて隆志が言う。


「俺も登録していない・・・」


無論、稔のも登録してはいない・・・




「お・俺も・・・」



雅樹は、いまの状況を打開すべき解決策を模索する。


・・・どうすればいい・・・?



・・・どう俺は、判断し行動すればいいんだ・・・?




すでに教室の20人も、いなくなってしまっているのに・・・