「なんなんだ!みんながいなくなった理由とは?」


思わず、身を乗り出し隆志に詰め寄る雅樹。


「だから落ち着けって!」


隆志は、詰め寄ってきた雅樹の迫力に思わずのけぞってしまう。



その二人の光景を、やじうま感覚で眺めていた幹男は思った・・・


・・・これでは、いつもの雅樹と隆志の立場が逆転してしまっているな・・・?


「早く教えてくれ!アイツはなんて言ったんだ?」


「・・・はしかだよ・・・」


「・・・はしか・・・?」


「そう・・・はしかが原因だったんだ」


「・・・はしか・・・が?」


予想もしていなかった言葉に戸惑う雅樹。


「1時間目にいなくなった5人がいただろ?」


「・・・あぁ、塩田たちだろ?」


「そう!その5人がどうやら、はしかを発病していたらしい・・・」


「・・・はしかを発病した・・・!」


隆志は、戸惑っている様子の雅樹が冷静に聞けるように、口調を柔らかくして言う。


「だから、アイツは最初にその5人を早退させたそうだ」


「・・・アイツが」


「そう、アイツがね?」


「・・・しかし最初の5人が、はしかで早退したとしても残りの15人は・・・?」


「はしかだよ」


「えっ!」


またも戸惑う雅樹に向かって、いつもの雅樹のような口調で喋る隆志。


「はしかなんだよ、残りの15人全員もね」


「・・・20人全員が、はしかに・・・?」


「そういうこと」