隆志は、雅樹の左隣の椅子に座り事の説明を始めた。


「いいか、雅樹! 教室のみんながいなくなったのには、訳があったんだ!」


いなくなった理由が判明した事に驚く雅樹だったが、それ以上に自分が解らない事を隆志が、自分に説明しようとしている事に驚いた。


「いなくなった真相は、以外にもアイツが説明してくれたんだ」


「アイツが!」


またも隆志から意外な事を聞かされ驚く雅樹。


「雅樹を保健室に残してきてから戻ってきた俺達にも教室の異様な光景が目に入ったんだ!」


「異様な光景・・・?」


「そう・・・異様な光景さ・・・」


隆志の言葉を、息を飲み込み聞き入る雅樹。


「俺と、幹男が保健室から戻ってきて教室に入ったらさ・・・」


「・・・教室に入ったら・・・?」


「・・・またいないんだ・・・」


「えっ!」


隆志の言葉に声を出し驚く雅樹・・・!


雅樹の反応を見て、ニヤリと笑いお互いの顔を見合わせる隆志と幹男。


「いないって!また誰かいなくなったのかー!」


雅樹の激しく動揺した反応を、なだめるように言う隆志。


「雅樹、落ち着けって」


「だから、いなくなった理由があると言っただろう」


「理由・・・?」

「そうだ!・・・それが知りたい・・・?」


この言い知れぬ心の底から染み出してくる泥水のような不安を取り除くことができるなら・・・




・・・俺は、理由を知りたい・・・