「先生!教えてください、それは本当なのですか?」


小沼は慌てて、ペットボトルの紅茶で喉のつまりを取る。


「先生!お願いです、教えてください?」


涙目の小沼は喉のつまりを取り、必死に訴えてくる雅樹に答えた。


「ほ・・・本当よ!私、昨日帰る前に3年D組のクラスに入っていく服部先生達を見たから」


「僕らの担任の佐伯先生もいましたか?」


「えっ!あっ、いたわよ、佐伯先生も入って行くのを見たから間違いないわ」


雅樹は、小沼の言葉に驚愕しつつも冷静さを失わぬように考えていく。


・・・なんて事だ!服部先生や佐伯先生達は、昨日あの教室にいたんだ・・・


・・・そして先生たちも、いなくなったんだ・・・


・・・やはり、あの教室には何かある・・・


・・・何か秘密が・・・?



「あっ!」


雅樹の思考に、隆志達の事が思い起こされた。


「隆志!」


「ど、どうかしたの、高橋くん?」


雅樹の様子が、また変化したのを心配して小沼が聞く。


「先生!これで失礼します!」


「えっ!あっ、はい」


雅樹は、急いで3年D組に向かって走り出した。



・・・言い知れぬ不安と共に・・・


「・・・隆志! 稔! 幹男!」


「・・・たのむから、いなくならないでくれ!」




そう、何度も心の中で繰り返し言い続けながら・・・