「全っ然気付かなかった」 苦笑いをしながら美緒に言うと、 美緒は真顔で 『看護師さんしか見えてなかったんじゃない?』 と冷たく言った。 …はぁ。 俺は黙って美緒の隣に座る。 「やきもち?」 そう聞いた。 美緒はクッションに顔を埋めながら 『そうだよっ!』 と言って頷く。 …やきもち、か。 怒りながらも素直に認めるところが可愛いじゃん。 ちょっと鬱陶しい時もあるけど。