『わ!』






大きい声と共にいきなり後ろから背中を押され、一瞬ドキっとした。





『早く入ってよね』






後ろからドンドン押される。





俺の後ろに美緒は立っていた。





「美緒、帰ってなかったのか?」


今、帰って来たのか?






リビングへのドアを開けながら聞いた。





すると美緒は怒った声で




『帰れる訳ないじゃん!鍵もってないし』







そう言ってぶすーっと膨れた。






あ…そういや渡してなかったな。




美緒は通り抜け出来ないんだっけ。




『で、どこ行ってたの?』





ソファーに座りながら聞いてきた。





平井さんと食事って言ったらあいつ、絶対やきもち妬くよな。






そう思い






「ちょっと病院の人と食事してた」




とだけ言った。