咄嗟に答えたにはいい言い訳だと思った。





「彼女さんですか?」






何故か真顔で聞いてくる平井さん。






「いませんよ」







俺は苦笑しながら答える。






「じゃあ、もし良かったら…今日の夜一緒にお食事でもしませんか?」








「え!?」







思ってもいなかった平井さんからの誘い。







本当はいつも断るんだけど…






平井さんにはいつもお世話になってるから断りずらい。







それに、最近毎日美緒の相手して疲れてるし…








食事なら行こうか。







美緒も呑気にしてるし、たまには良いよな。






「いいですよ」






俺は平井さんの誘いを受け入れた。



「それでは…楽しみにしてます」




平井さんはニコっと笑うと、次の患者さんを呼びに行った。