「好き…ね」
なんか、だんだんこいつが言う“好き”っていうのに慣れてきた。
『本気だよ?』
そう言われてもな。
『翔が受け入れてくれたらあたし、成仏しちゃうかもね』
俺の様子を伺うように顔を覗いてきた。
…俺にどうしろと?
さっきまでのしゅんとしていた美緒はどこに行ったんだ。
「ばーか」
俺は美緒にデコピンすると立ち上がる。
どうにかして探さないとな。
『いった〜い!』
美緒は額を擦りながら俺を見上げた。
「午後からの診察。お前どうする?カルテ探すだろ?」
早めに行かないとまた看護師が呼びにくるからな…
『え〜…またカルテ?もうやだ』
「…自分の為だろ」
…はぁ。
美緒の為に俺は探してるっていうのに。