俺の隣に座ると、
『見てて!』
美緒はそう言って
その堅そうな木の枝を
自分の腕に突き刺した…
「バカ!!何やって…」
痛みは感じないとか言ってもわざわざ自分で傷付ける事はないだろ!?
見てるこっちが痛くなるし。
慌てて美緒の腕を掴みながら言い掛けた所で異変に気が付いた。
結構深く突き刺したはずなのに…血が出てない。
違う、傷も無い。
一回突き刺さって一瞬傷が出来たが、あっと言う間に修復して元通りに戻った。
『死んでるんだもん。傷付かないよ』
美緒は木の枝をすぐ傍の垣根の中に放りこんだ。
「傷付く必要がないって事か…」
『そう』
そっか。
傷つかないだけじゃなくて
美緒は痛みも感じなかったんだ。