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ドアが開いた音がして、俺はゆっくりと目を開けた。
ぼやけた視界に入っていたのは…めっちゃ近い美緒。
『おはよっ、翔!』
俺が起きたのを確認しつにっこり笑う美緒。
退こうともせず、俺の顔を覗き込んだままだ。
「…何してんの?」
退け。の意味も込めて言ったつもりなのに、美緒はそのままで。
『翔の寝顔がかなり可愛かったから、キスしちゃおっかって思ってたの〜!』
ストレートに理由を話す。
「……」
俺は黙って美緒を見つめる。
今日で最後と言うのに。
いつも通り明るいし。
ちょっとはしんみりになると思っていたんだけど。