この前は美緒が泣きながらいきなり出てったからで。








今回は美緒が無事に成仏してくれるならもうそんな事にはならない。








『だからね、最後に一緒に寝ておいて忘れないで欲しいの。
あたし冷たいけれど、ちゃんとここにいるって分かるでしょ?』








確かに美緒の体温はかなり冷たいが、温もりはある。








「うん」





『あたしの事…忘れないでね?』




「うん」







『後…あたしが居なくなってすぐ、平井さんと仲良くしちゃうのは嫌だ』





「うん」







俺が美緒の言葉に、返事しかせず黙って聞いていると。




美緒は俺を見つめながら





『さっきから“うん”しか言わないけど、ちゃんと聞いてるの…?
もしかして…もう、あたしの声聞こえなくなっちゃった…?』







不安そうな声で聞いてくる。