『考えたんだけどね…?
消えるってなったら普通最後に思い出の場所に行ったりするかと思うんだけど、あたしにはそんな思い出なんてないし。
で、あたしの思い出って言ったら毎日翔と過ごしたここでしょ?
まぁ…一時期家出したけど。
だから、明日一日、最後にここでまったりと翔と過ごしたい』
そういう美緒。
確かに…美緒は生きていた時の事を覚えてないから思い出なんて無いのか。
「…本当にどこにも行かなくていいのか?」
『うん。その代わり、明日一日あたしとずっと一緒にいてね?』
「…分かった」
最後だし…
明日一日くらい、美緒の言うことを聞いてやるか。