今日もまた、真山先生とナースステーション横の小部屋にいる。
俺が部屋に入ると、美緒はすぐに気付いて笑顔を向けてくれる……けど。
その笑顔も、うっすらとしか分からない程、美緒の体は透けて来ていた。
「相変わらず、帰る時しか此処に来ないな」
真山先生はファイルを見ている。
…先生こそ。
最近までずっとあの専用部屋に籠もっていた癖に。
そう言いたかったけど、一応先輩だし、グッと呑み込んだ。
「まぁ、いろいろと動き回るので…。
先生はまだ上がらないんですか?」
先生が俺より先に上がる所、見たことがないけど。
「あぁ。調べる事もあるし。それより、川島」
真山先生は一度ファイルから視線を上げて俺の方を見る。