「あいつはその姿を見て、無理して体を壊すかもしれないからもう止めてくれと言ってきたんだ。
無理してまで探してもらわなくてもいいってな。

俺は分かったと言って負担にならない程度にあいつに分からないようにこっそり探そうと思った。
まぁ、結局県内の病院全部探したけど見つからず諦める事になったが」






真山先生は続ける。







「お前も夜中に睡眠時間削って探してたんだろう?あいつはこのままだと体を壊してしまうと思ってお前にもう探すのを止めろと言うと言ってた。

…で、その日の夜雨に濡れながら俺の所に来た。
『翔は納得してくれなかった』ってな」






そんな事…美緒は俺に言わなかった。






「あいつは本当の事を言っても大丈夫だとお前が言って探すのを止めないと思ったらしい。

だから嘘を吐いたんじゃないか?」






俺が思っていた事が分かるかのように真山先生は話す。





美緒は俺の事を心配してくれてああ言ったのか。






俺の事を心配して。

俺の性格を知って嘘までついて。

美緒がそんな事を考えていたなんて全く知らなかった。